
ビットコイン[BTC]の半減期まであと15時間を切っているが、ここ数週間、ビットコインのマイニングの状況は駆け足で盛り上がっている。
報告によると、現在、ビットコインのマイニングエコシステムの30%以上がAntminer S9(訳者注:大手マイニング機器メーカーAntminerの旧世代製品)を採用している。
現在、ビットコインキャッシュ[BCH]とビットコインSV[BSV]の総マイニングハッシュレートの割合は、ビットコイン[BTC]の総ハッシュレートの約1%だ。これらのアルトコインのハッシュレートは、現在、2018年と2019年初頭のベアマーケットのレベルの前後にある。
ビットコインはその後2.5倍に上昇しているが、BSVとBCHのハッシュレートは引き続き下値圏で推移している。半減期後、マイナーの一部は収益性を求めるために他のSHA-256アルゴリズムに目を向けるかもしれない(訳者注:ビットコインはSHA-256アルゴリズムを採用している)。

しかし、2020年3月の「暗黒の木曜日」のクラッシュの時にあったことを振り返ると、ビットコインキャッシュやビットコインSVへのマイニングの切り替えの可能性は低いと考えられる。3月のクラッシュ後にビットコインが不採算になったAntminer S9やAntminer S15のマイナーは、BCHやBSVに乗り換えていない。
もちろん、市場全体の価格が下落したことで、乗り換えが抑制されたともいえる。現在、ビットコインは暴落前の値より10%ほど高く取引されているが、BSVは7.5%、BCHは15%ほど下落している。

ビットコインキャッシュ[BCH]とビットコインSV[BSV]が4月に半減した後、両ブロックチェーンでハッシュレートが50%近く低下している。Minerstatによると、BCHとBSVのマイニングに対するS9の収益は、スタンドアロンシステムの場合、約1.5ドルとなっている。
利益を半減させるビットコイン

半減期後にS15とS9ハードウェアが利益を出すためには、ビットコインの価格が15,000ドルを超えなければならないだろう。しかし、現在の価格の動きを考えると、ビットコインが短期から中期的にはこの水準を維持する可能性は低いと考えられる。
さらに、BSVやBCHははすでに半減期を経ているため、S9やS15のマイナーの一部が他の収益性の高いアルトコインのマイナーと競争を始めるかもしれない。しかし、ハッシュレート競争の激化は、BCHとBSVのエコシステムの成長につながる可能性があるだろう。
(翻訳元:CoinGape)